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社会系教科教育学会は,社会的資質形成に関する教育実践の科学的研究を行い,その普及と発展に寄与することを目的とした学会組織です。

TEL. 0795-44-2306

〒673-1415 兵庫県加東市下久米942-1

確かな技術と自由な発想 新しいライフスタイルをご提案します

社会系教科教育学会 研究発表大会

2014年度 第26回 社会系教科教育学会 研究発表大会プログラム

【第1日目】

受付  9:30〜10:00
自由研究発表[1] 10:00〜12:00

【第1分科会】(1階 102講義室) 
                 司会者     岡山大学         桑原 敏典
(1)10:00 近現代史学習における戦争単元の授業改善
      −主体的価値判断力の形成をめざす単元「アジア太平洋戦争」の開発を通して− 
               鳴門教育大学大学院    久保 綾菜
(2)10:30 ストランド・マッピング法に基づく教師のゲートキーピングの方法と課題
         −1980年代以降の米国社会科におけるストランド型構成法の史的展開−
               東京大学大学院    堀田 諭
(3)11:00 構成主義的な科学的探求学習の授業構成論と学力論
         −問いの構造図から作る授業−
              東京学芸大学      渡部 竜也
(4)11:30 社会科における「社会参画学習」の可能性について
         −学会誌論文発表以降の進展−
              文教大学               吉田 正生
               埼玉県熊谷市立玉井小学校    笹岡 智聡 
【第2分科会】(1階 103講義室) 
                司会者    京都教育大学       水山 光春
(1)10:00 意思決定批判学習としての社会科地理授業
         −単元「貿易から見た日本の産業」の場合−
               鳴門教育大学大学院   佐藤 光
(2)10:30 地理と経済融合教材の開発(2)
        −カナダを中心として−
              立命館大学     河原 和之
(3)11:00 子どもが動き学びあう教材・授業づくり
        −人の移動をテーマにした単元「南アメリカ州」の学習を事例として−
               大阪狭山市立南中学校   奥田 修一郎
(4)11:30 他者との関係構築的な社会認識形成を評価する中学校社会科のペーパーテスト開発(3)
              福岡教育大学            豊嶌 啓司
              飯塚市立小中一貫校頴田校    柴田 康弘 
              福岡教育大学大学院        野田 惟仁 
【第3分科会】(1階 104講義室)
                 司会者    岡山大学      山田 秀和
(1)10:00 同時代的大観を原理とした世界史授業開発研究
        −銀が結ぶ16世紀の世界−
              兵庫教育大学大学院     南 健太
(2)10:30 歴史的思考力の育成をめざす明治維新の単元開発
        −社会構成主義の考え方に着目して−
              鳴門教育大学大学院    池田 良
(3)11:00 生徒の活性化を意図した日本史授業
        −旧制高校教育を事例として−
              兵庫県立川西北陵高等学校   小泉 憲和
(4)11:30 ベルリン市・ブランデンブルク州における歴史教育改革の構想
               山梨大学    服部 一秀
【第4分科会】(1階 105講義室)
                司会者    川崎医療短期大学     中原 朋生             
(1)10:00 国立民族学博物館企画展「武器をアートに」から拡げる国際理解教育
        −博物館資料を活用した授業構成−  
                神戸市立楠高等学校      秋山 明之
(2)10:30 合理的意志決定に資する交渉学的思考の育成
         −歴史学習における交渉ゲームの実践を通して−
                 山口県岩国市立杭名小学校     福村 優
(3)11:00 オーストラリアのESD教育
         −シティズンシップと環境教育との関連−
                 名古屋市立小碓小学校     酒井 喜八郎
(4)11:30 生徒の自我関与を図る高校世界史の授業づくり  
         −「ヴェニスの商人」を用いて−
                佐賀県立佐賀東高等学校    堤  敏浩 
【第5分科会】(1階 107講義室)
               司会者     鳴門教育大学      井上 奈穂
(1)10:00 子どもによる概念の形成と活用を組み込んだ小学校社会科の授業開発
         −第5学年「気候の特色を生かした農業」を事例として− 
                兵庫教育大学大学院     佐々木 豊 
(2)10:30 小学校社会科エキスパート教員の教材構成について
                神戸市立竹の台小学校     中島 常彦
(3)11:00 グローバル化に着目した小学校文化産業学習の授業開発
         −第5学年「世界とつながる日本のポップカルチャー」を事例として−
                広島大学附属三原小学校   伊藤 公一
(4)11:30 ”防災”を視点とした中学校社会科地理的分野の授業開発
         −地理の有用性を生徒に伝えるために−
                倉敷市立西中学校   角田 正和             
【第6分科会】(1階 111講義室)
               司会者     福井大学         橋本 康弘
(1)10:00 ESDにアプローチする社会科教育
        −教員養成における教育方法を中心にして−
                     福山市立大学    田渕 五十生
(2)10:30 見えない社会問題を読み解く力を培う中等公民学習の開発
         −ジェンダー規範が生み出す社会問題を事例として−
                 鳴門教育大学大学院    井手 智恵美
(3)11:00 社会科における人権感覚の育成
        −「差別を見抜く目」を中心に−
                たつの市立揖西西小学校   岩本 剛
(4)11:30 社会問題に焦点を当てた歴史の批判的解釈学習の論理
−DBQプロジェクト米国史単元「平等権修正条項(ERA)はなぜ否決されたのか」を手がかりとして−
                福井大学     寺尾 健夫
【第7分科会】(1階 113講義室)
              司会者     西予市立田之浜小学校   岡崎 均
(1)10:00 小学校社会科における社会問題解決学習の内容編成研究
         −合理的意思決定力の育成に焦点をあてて−
                 兵庫教育大学大学院   長川 智彦
(2)10:30 発見的認識形成にかかわる生活科授業開発
         −第2学年「まちのこうえんしらべたい」を事例として−
                 三木市立自由が丘東小学校   末永 琢也 
(3)11:00 正義の見方を育む概念カテゴリー化学習の授業開発
                広島大学附属東雲小学校     新谷 和幸
(4)11:30 讃岐うどんのおいしさの秘密を探ろう
        −第3学年「工場の仕事」を事例として−
                香川県宇多津町立宇多津小学校   河野 富男

シンポジウム  106講義室         13:30〜16:00


 シンポジウム 社会科授業研究において キーコンピテシーをどうとらえるか

 OECD(経済協力開発機構)のDeSeCo (コンピテンシーの定義と選択:その理論的・概念 的基礎)プロジェクトにおいてまとめられたのが,キーコンピテシーである。キーコンピテン シーとは,@相互作用的に道具を用いる力A異質な集団で交流する力B自律的に活動する力に 集約される。コンピテンシーとは,単なる知識や技能だけではなく,技能や態度を含む様々な 心理的・社会的なリソースを活用して,特定の文脈の中で複雑な要求(課題)に対応すること ができる力である。さらに,キーコンピテンシーとは,日常生活のあらゆる場面で必要なコン ピテンシーをすべて列挙するのではなく,コンピテンシーの中で,特に,人生の成功や社会の 発展にとって有益,さまざまな文脈の中でも重要な要求(課題)に対応するために必要,特定 の専門家ではなくすべての個人にとって重要といった性質をもつとして選択されたものであ る。これは,能力開発と生涯学習に関連する充実した国際評価・指標システムと,さらに効果 的な政府施策のための長期的視野へ展開する潜在可能性を与えるとされている。最も基本的な レベルにおいて,生きるということは自ら行動すること,道具を用いること,他者と交流する ことを伴う。現代生活が要求しているのは,行動するだけでは十分ではなく,精神的複雑さ(反 省性)の中で,思慮深く責任もって,自律的に行動できるのでなければならないとされている。 その背景には,「変化」,「複雑性」,「相互依存」に特徴づけられる世界への対応の必要性がある。このような状況を踏まえ,本シンポジウムでは,このキーコンピテシーをテーマに,次に掲げる課題等について,各シンポジストの提案を手がかりに検討してみたい。
〇社会科授業におけるキーコンピテシーは,どのように位置づけられるか。それはどのような教育的意味をもつか。
〇キーコンピテシーは,社会科授業を改善する視点として有効か,有効であるとすればどのよ うな点で有効か。
〇さらに,キーコンピテシーの位置づけを踏まえた社会科授業にはどのようなものが考えられ るか。その意義はどこにあるか。
コーディネーター   兵庫教育大学       關  浩和
シンポジスト    
            社会科から見たキーコンピテシーの批判的検討
                       国立教育政策研究所      大杉 昭英
            小学校社会科授業におけるキーコンピテシーと授業づくり 
                      大阪教育大学         馬野 範雄
            キー・コンピテンシーの3つのカテゴリーと評価法
            −自律的な活動に着目して―
                      北海道教育大学        坂井 誠亮
指定討論者      広島大学           草原 和博

総会 106講義室  16:00〜16:30
懇親会 学生食堂 17:00〜19:00

【第2日目】
受付  9:00〜9:30
自由研究発表[2]13:00〜16:30

【第8分科会】(1階 102講義室)
              司会者    山梨大学         服部 一秀
(1) 9:30 多重市民権社会に対応する価値認識形成をめざす現代史授業開発
         −小単元「なぜためらうの?難民受け入れ問題」の場合−
                    鳴門教育大学大学院    山本 大貴
(2)10:00 子どもから学ぶ教師の省察過程と授業の変容
         −1973年〜1974年6月における長岡文雄の省察過程に着目して−
                    東北大学大学院    漆畑 俊晴
(3)10:30 反知性主義に対抗しうる憲法教育・政治教育の教育内容開発
         −「集団的自衛権の行使容認の閣議決定」を題材として−
                    西九州大学    松井 克行
(4)11:00 実践者のリフレクションによる評価プロセス
         −小学生児童の自主的自立的価値観形成を目的とした授業実践の分析を通して−
                    浜田市立松原小学校    紙田 路子
(5)11:30 法を視点とした中学校歴史授業開発
         −近世日本の大観−
                 兵庫教育大学大学院    山本 淳貴 

【第9分科会】(1階 103講義室)
            司会者   福岡教育大学       豊嶌 啓司
(1) 9:30 子どもの思考の構造を組み込んだ評価問題の開発
         −小学校社会科授業における資料活用を中心にして−
                    兵庫教育大学大学院     植田 真夕子
(2)10:00 図的表現を組み込んだ社会科授業の展開
        −子どもによる知識の構造化に着目して−
                    三田市立ゆりのき台中学校    王子 明紀
(3)10:30 中等社会科教育における意思決定批判学習
         −同一の価値にもとづく異なる社会的意思決定の批判的研究−
                    長崎大学    土肥大次郎 
(4)11:00 映画「ゴジラ」で考える戦後史
                    山口県宇部西高等学校    藤村 泰夫
(5)11:30 事実の分析的検討における子どもの思考の構造
         −習得した知識と思考の関係に着目して−
                    伊丹市立昆陽里小学校    戸田 征男
【第10分科会】(1階 104講義室)
           司会者    鳴門教育大学       梅津 正美
(1) 9:30 教科教育における防災学習
        −巡検・実験を取り入れた授業開発−
                   大阪府立交野支援学校四條畷校    関本 祐希
(2)10:00 英国における課題解決型の歴史授業の方略
        −授業実践に着目した米英独歴史教育研究・その1−
                    文部科学省     中尾 敏朗
                   国立教育政策研究所     二井 正浩
(3)10:30 米国における”歴史家のように読む”教授方略の事例研究
        −授業実践に着目した米英独歴史教育研究・その2−
                   兵庫教育大学     原田 智仁
(4)11:00 思考力・判断力・表現力を育成する小学校歴史学習の考察
        −授業実践に着目した米英独歴史教育研究・その3−
                   佐賀大学     宇都宮明子
(5)11:30 社会科授業改善ハンドブックの開発と活用
        −教師の課題分析と課題解決を支援するために−
                   広島大学     草原 和博
       広島大学大学院 岡田 了祐・渡邉 巧・大坂 遊・岩下 真也・上嶋 智江
                  小川 征児・木坂 祥希・魏 思遥・佐々木 拓也
                  辻本 成貴・寺嶋 崇・杠 拓哉・山田 健司
【第11分科会】(1階 105講義室)
          司会者     国立教育政策研究所    樋口 雅夫
(1) 9:30 政治的視点を組み込んだ高等学校地理「農業」の授業開発
        −スケールの重層性と内発的発展に着目して−
                   兵庫教育大学大学院    竹原 昌伸
(2)10:00 シティズンシップ教育からみたアメリカ社会科成立の再評価
        −NEA社会科委員会報告書のカリキュラム史における意義−
                   東北大学大学院   斉藤仁一朗
(3)10:30 生徒の主体的な社会研究をうながす社会科授業改善研究
        −マトリクスの習得と活用を組み込んだ公民授業開発を事例として−
                   丸亀市立東中学校   阿部 靖 
(4)11:00 高校倫理における尊厳死問題の授業開発
        −「死への自己決定」を手がかりにして−
                   神戸市立須磨翔風高等学校    石原 純
(5)11:30 思考力を高めるための中学校社会科の授業構成
        −公民的分野の教材開発を手がかりとして−
                   藤枝市立葉梨中学校   青木 章浩
【第12分科会】(1階 107講義室)
          司会者    京都女子大学       松岡 靖
(1) 9:30 構成主義的アプローチによる小学校社会科情報産業学習の開発
        −第5学年「情報産業とわたしたちのくらし」を事例に−
                   兵庫教育大学大学院   渡辺 絵理
(2)10:00 分析・総合を組み込んだ動態的地誌学習の授業設計
         −概念の習得と活用を視点として−
                  兵庫教育大学大学院    下池 克哉
(3)10:30 探究的な学習の充実を目指した総合的な学習の時間の単元開発   
         −第5学年「かこがわ市民手帳」開発プロジェクトの実践を通して−
                  兵庫教育大学大学院    大平 美鈴
(4)11:00 久留米プランにおける小学校社会科での民主的な地域市民の育成
         −「義務」「責任」「役割」概念の形成を中心に−
                  福岡教育大学   小田 泰司
(5)11:30 子どもがよりよい社会について考える教材の開発
        −農業の課題に挑戦する人の学習−
                   日野市立夢が丘小学校     神野 幸隆
【第13分科会】(1階 111講義室)
           司会者    文教大学          吉田 正生
(1) 9:30 社会科における知識の分類と問いの再検討
                   兵庫教育大学附属小学校    浅野 光俊
(2)10:00 アクション・リサーチによる小学校社会科授業の開発研究(V)
        −多面的な価値認識形成を視点にした第4学年単元「特色ある地域と人々のくらし」の場合−
                  兵庫教育大学       關  浩和
                  兵庫教育大学大学院  長谷川 侑
(3)10:30 文化の「精神」に着目した小学校社会科授業
         −サッカーを事例として−
                  広島大学附属小学校    服部 太 
(4)11:00 社会科固有の「読解力」形成のための授業開発研究(U)
         −第4学年単元「天空の城(竹田城)のあるまち・朝来市」の場合−
            兵庫教育大学   〇關 浩和・原田 智仁・吉水 裕也・米田 豊
            兵庫教育大学附属小学校 〇重枝 孝明・浅野 光俊・森 清成
(5)11:30 より自分事として判断するための小学校社会科授業の在り方
                  弘前大学教育学部附属小学校    秋田 真 
【第14分科会】(1階 113講義室)
          司会者      四天王寺大学       中本 和彦
(1) 9:30 「問い」の誘発と「学習問題」の質を重視した小学校社会科学習
         −6年生歴史学習単元「アジア・太平洋に広がる戦争」を事例として−
                  兵庫教育大学大学院    岡本 啓介
(2)10:00 「認知図」による子どもの「思考」の評価
         −小学校第5学年「日本の産業学習」における概念形成を事例に−
                 淡路市立北淡小学校    大西 慎也
(3)10:30 過程追跡とオペレーション・コード分析を援用した社会科教材研究方略
         −歴史人物「ドゴール」「アデナウアー」を事例に−
                  岩国市教育委員会    松村 淳
(4)11:00 対話により習得した知識の深化・拡大を目指す小学校社会科の授業開発
         −第6学年「縄文のむらから古墳のくにへ」を事例として−
                  岐阜県本巣市立真桑小学校     福田 弥彦
(5)11:30 時代像を構築する社会科歴史授業の構成に関する探索的研究
         −「江戸時代の江戸の町で屋台や旅行案内が流行したのはなぜだろう」を事例として−
                 和歌山大学    岩野 清美
課題研究 13:00〜16:00

課題研究T

初等社会科授業においてキーコンピテシーをどう育成するか 102講義室
 2013年12月,PISA2012年調査結果が公表された。今回の調査では,読解力,科学的リテ ラシー,数学的リテラシーといった3分野すべてにおいて,平均得点がこれまでで最も高くな っている。また,2014年8月,4月に実施された全国学力・学習状況調査(全国学力テスト) の結果が公表されたが,文部科学省は「学力の底上げが進んでいる」と分析している。周知の ように,平成20年版学習指導要領は,PISA調査など各種調査結果から明らかになった児童・ 生徒の課題を踏まえて改訂されている。上記2つの調査結果は,わが国の子どもたちに「学力」 がついたことを示しているといえるのだろうか。
 そもそも「学力」とは何だろうか。OECDでは,国際化・高度情報化が進む中,知識・技能 を実生活に活用する力(能力)を「キーコンピテンシー」としてまとめている。それは,「相 互作用的に道具を用いる力」「異質な集団で交流する力」「自律的に活動する力」といった3領 域カテゴリーに分類されているが,そのまま授業づくりに直結するものといえるだろうか。教 育現場に日々立つ授業者自身が,「キーコンピテンシー」を捉え直し,育成原理を探求・実践 する必要があるだろう。そこで,本課題研究では,以下の点を提示して頂き,討論が深まるよ う期待している。@キーコンピテンシーをどう捉えるのか。それはなぜか。Aキーコンピテン シーをどのようにして育成するとよいのか。それはなぜか。Bキーコンピテンシーを身につけ た子どもの姿はどのようなものか。以上3点に焦点を当てつつ,発表者には授業案または授業 実践例をもとに提案して頂く。
コーディネーター         富山大学         岡ア 誠司
研究発表者    
           価値判断・意思決定型の社会科学習からキーコンピテシーの育成を考える
                      お茶の水女子大学附属小学校    佐藤 孔美
            あの実践で「キーコンピテシー」は育成されたか
           −社会科の教室における「<場>の議論」の必要性− 
                      山口大学         南浦 涼介
           仮説吟味学習による「説明」型社会科授業の改善 
            −第5学年単元「工業生産と貿易」の場合−   
                      富山大学          岡ア 誠司
指定討論者            岡山大学          桑原 敏典
   

課題研究U

中等社会科授業においてキーコンピテシーをどう育成するか」   104講義室

 PISA調査の枠組みの基本概念となっているOECDのDeSeCoで示された3つのキー・コン ピテンシー(相互作用的に道具を用いる力,異質な集団で交流する力,自律的に活動する力) は,各国の文化的特質に応じて多様に発展している。日本も例外でなく,それらは中央教育審 議会答申や学習指導要領に反映される「生きる力」の育成と同義として捉えられてきている。 他方,キーコンピテンシーはそのまま授業づくりに直結するものといえるだろうか。「生きる 力」や「人間力」などの総合的・包括的な能力と,これまで中等社会科において育成されてき た知識・技能・態度とはどのような関係にあるのだろうか。日々,教育現場に立つ授業者自身 が「キーコンピテンシー」を捉え直し,その育成原理を探求・実践する必要があるだろう。
 本課題研究では,シンポジウムで検討された議論を踏まえ,@中等社会科授業においてキー コンピテンシーを具体的にどう捉えるのか,それは社会科の目標における社会認識形成や市民 的資質の育成とどのように関係づけられるのか,Aキーコンピテンシーは,どのような内容・ 方法によって育成できるのか,B子どものどのような変容によって評価することができるのか について,発表者には授業案または授業実践例をもとに提案して頂く。 
コーディネーター             大阪教育大学          峯  明秀
研究発表者
               考え抜く力を育成する社会科授業
               −NOTESの活用とチーム活動を通して−
                      香川大学教育学部附属高松中学校  三野 健
               社会科における「知る・分かる・考える」とキーコンピテシーの育成 
                      畿央大学       小谷恵津子

指定討論者                滋賀大学       岸本 実

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